環境専門委員会では毎年9月に遊水地で水生生物調査を行っています。今年は、夏の高温と降水量の少なさが影響してか、アオコ(藍藻類が大量に増殖し水面を覆い尽くすほどになった状態、水面が緑色になる。)が発生し、昨年、一昨年と比較し激減しています。アオコが発生すると、カワセミの餌となる水生生物が少なくなるだけでなく、カワセミが魚影を見えなくなるので、カワセミを見られるチャンスも減ってしまいます。
下のグラフから、降水量とCOD、水生生物の匹数は相関関係にあるとみられます。今後、降水量の減少と高温になる頻度は上がるでしょうから、アカミミガメの防除を含めアオコの対策を検討していきます。
@環境省主催事業(全国水生生物調査)に参加(毎年、春野図書館横の深作川で実施)
川にすむ生き物を採集し、その種類を調べることで、水質(水のよごれの程度)を判定する調査です。全国約8万人が参加しています。カワニナ類、タニシ類、アメリカザリガニも指標生物になっています。コロナの影響で3年振りの開催でしたが、最近の深作川の浚渫(しゅんせつ:河川などで広い範囲にわたり水底を掘ること)の影響で指標生物は全く見つかりませんでした。
※調査場所(赤丸部)
A環境専門委員会の調査(毎年、深作遊水地内で実施)
公園部を含む深作遊水地に餌付きの捕獲籠を仕掛け、一定時間後に掛かった水生生物(エビ類、魚類)の種類、匹数を調べ深作遊水地の環境変化を見ています。但しこの籠は、ブラックバスの成魚等の大型の魚を捕獲出来る大きさではありません。
19年、20年で大きく減った匹数が、21年(昨年)は著しく改善していました。今年の集計は終わっていませんが、概略、維持している様です。
特筆すべきは、5年振り(17年以来)に特定外来生物のブルーギルの幼魚が1匹、捕獲されたことです。存在が確認されているブラックバスだけでなく、ブルーギルの繁殖も再度、確認されました。
<ブルーギル>
<モツゴ>
<スジエビ>
●深作多目的遊水地のpH(ペーハー)報告
環境専門委員会では2016年から深作多目的遊水池のpHを測定しています。(1回/月)。測定を開始した切掛は、「遊水池のpHが高いのではないか?」と言う情報からです。測定を始めると春から夏にかけて環境基準値(Max8.5)を超える月がありました。最大値は9.2(17年7月)で、次に9.0が3回測定されました。アルカリ成分を排出する工事等はなかったので、原因を調査すると「水深が浅く水が停滞するような場所では、藻類の光合成のためにpHが高くなることがある。」という国交省の文書に出会え、原因が推察出来ました。環境基準値を超えるのは、水生生物に対していい影響は無いですが、水生生物調査(毎年9月に実施)の数量推移では影響は現れていません。
測定は他にCOD(化学的酸素要求量 水質汚濁の指標 20年より埼玉県から試薬の供与を得て。)の測定を水生生物調査時に行っています。昨年の結果では2.5mg/gで、環境基準値8mg/gに比較し十分に小さい値でした。pH測定場所(赤丸部)
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